新潟県長岡市「中島牧場」50年以上続く親子の畜産。おいしい牛肉を生む育て方と、受け継がれる想い

新潟県長岡市で50年以上にわたり牛づくりに向き合ってきた「中島牧場」。
約360頭を育てる県内でも有数の畜産農家で、親子二代が協力しながら丁寧な牛を育てています。

血統の選定や餌づくり、環境への配慮、血液検査など、日々の積み重ねが中島牧場の味を支えています。さらに、中学校の同級生である山崎武雄さん(中島牧場の牛肉の加工や販売を担当)との協業により、生産者の想いがより伝わる形でお客様へ届けられるようになりました。

この記事では、中島牧場のこだわりと、そこに込められた想いをご紹介します。

新潟県長岡市で50年以上続く中島牧場とは

新潟県長岡市にある「中島牧場」は、約360頭の牛を育てる県内でも有数の畜産農家です。黒毛和牛と交雑牛を中心に、50年以上にわたり高品質な牛づくりに取り組んできました。

牧場の始まりは、初代であるお父さまが兵庫県の木村牧場で修行した後、新潟へ戻り畜産を始めたことがきっかけです。

現在も親子二代で力を合わせ、日々の作業を積み重ねながら牧場を守り続けています。もともと中島さんは家業を継ぐことを特に考えてはいませんでしたが、若い頃から牧場の仕事を手伝うなかで、大変さの中にもやりがいを感じるようになっていきました。

そうした経験が積み重なり、気づけば自然と畜産の仕事へ向き合うようになり、今では欠かせない存在として牧場を支えています。

中島牧場の良い牛づくりのために続けてきた4つのこだわり

中島牧場では、「血統」「餌」「環境」「血液検査」という4つのこだわりを大切にしながら、牛づくりに取り組んでいます。そのどれもが毎日の積み重ねで成り立っており、丁寧な管理が欠かせません。

①血統の見極め

中島さんは、長年の経験をもとに、良い肉質へ育つ仔牛を見極めて仕入れています。血統によって成長の仕方や肉質が変わるため、最初の選定がとても重要だといいます。

②餌の工夫

餌は、小さい頃は栄養価の高い青草、大きくなってきたら肥育用の飼料へと切り替え、成長に合わせて調整しています。

牛は体調によって食べ方や成長の仕方が変わるため、日々の様子を見ながら餌の内容を細かく調整していくことが欠かせません。

③ストレスの少ない環境づくり

牛が過ごす環境にも細かな配慮を欠かしません。牛舎はゆとりのあるスペースを確保し、餌の取り合いが起きないようグループを調整しています。

雪の多い地域でも負担が少なくなるよう、牛が安心して過ごせる環境づくりを続けています。

④血液検査での個体管理

中島牧場の大きな特徴が 「血液検査」 です。血液検査を行うことで、ビタミン数値を確認し、サシが入りやすくなるよう調整するなど、成長段階に合わせた管理を徹底しています。

長年の経験と、検査で得た数値を組み合わせながら、中島さんが思い描く肉質へ近づけていく育て方にこだわりが詰まっています。

新潟県の最優秀賞を受賞した“中島牧場の牛”が評価される理由

中島牧場の牛は、新潟県内の和牛品評会で最優秀賞を受賞した実績があります。評価されたのは、「肉の大きさ」「色」「肉質」といった総合力です。

特に強みとなるのが、24か月という比較的早い月齢で大きく育つ点です。一般的には肥育に27か月ほどかかることもありますが、中島牧場では早い段階からしっかり牛の体格が整います。

ただ早く育つだけではなく、肉質の良さを保ったまま仕上げられる点も大きな特徴です。大きさと質の両方を満たす牛づくりは、中島牧場ならではの積み重ねから生まれたものだといえます。

加工から販売まで一体で取り組む“山崎さんとの協業”

中島牧場のお肉が多くの方に届くようになった背景には、生産以外の加工や販売を支えてきた山崎武雄さんの存在があります。中学校の同級生というご縁をきっかけに、強い信頼関係のもと協業が続いています。

生産者の想いを広めるために生まれた協業の形

これまで、スーパーなどで販売される牛肉は「新潟県産黒毛牛」と表記されるだけで、どの牧場で育った牛なのかまで詳しく伝わりにくい状況がありました。

そこで中島さんと山崎さんは、「どんな想いで育てられた牛なのか」を知ってもらえる方法を模索し、加工・商品づくり・配送まで一体で取り組む体制を整えていきます。

その取り組みのひとつが、産直ECサイトへの出品です。生産者としてのこだわりや背景を発信しやすくなり、中島牧場の想いをこれまでより広く届けられるようになりました。

さらに、コロナ禍で通販需要が高まったこともあり、産直サイトで取り扱う「牛すじ商品」には多くの反響が寄せられるように。

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こうした声を受け、生産者のこだわりや魅力を伝える機会が大きく広がっていきました。

中島牧場が届けたい想いと、これからの展望

育てた牛の仕上がりを見たときの手応えと、お客様の声

中島さんがやりがいを感じる瞬間のひとつが、出荷した牛の状態を確認したときです。
日々の管理や工夫の積み重ねが、しっかり結果につながっていると実感できるからとのことです。

過去には餌の切り替えがうまくいかず、思ったような肉質にならないこともあったといいます。
牛づくりは改善してもすぐに結果が現れるわけではなく、実際にどう育ったか分かるまで一年以上かかります。
そうした試行錯誤を積み重ねてきたからこそ、今の手応えにつながっています。

さらに、顔が見える販売を通じて「美味しかった」「また買いたい」という声をいただくことも増えました。購入者からの言葉が励みになり、日々の作業に向き合う力にもなっていると話していました。

安定して良い牛を育て続けるための未来と展望

畜産の現場では、子牛不足に加えて円安の影響もあり、餌代が大きく上がる厳しい状況が続いています。

日々の餌は欠かせないものだからこそ負担も大きく、「今が一番大変」と感じることもあるといいます。それでも中島さんは、「安定して良い牛を育てたい」という想いを支えに、日々牛たちと丁寧に向き合っています。

育てる過程で無駄が出ないよう、一頭一頭を丁寧に見守りながら、これからも美味しいお肉を新潟県長岡市から届けていきたいと話していました。

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