熊本県錦町の特産品を全国へ|レッドホースと挑んだ商品開発の挑戦

豊かな自然と食文化に恵まれた熊本県錦町。
この町で、ふるさと納税や新商品開発といった物産振興をはじめ、創業支援や事業承継支援、さらに祭りやイベントの運営まで幅広く担うのが、企画観光課 地域振興係 参事 吉村 心さんです。

生まれ育った錦町で、川や山に親しみながら過ごしてきた経験も重なり、吉村さんの根底には「町の魅力をもっと多くの人に届けたい」という想いがあります。

錦町には、桃や梨をはじめ、寒暖差の大きな気候が育む良質なお茶や、日本三大急流・球磨川の豊かな水に支えられたお米など、全国に誇れる産品が数多くあります。しかしその魅力が十分に知られていない現実に、吉村さんはもどかしさを感じていました。

今回、産直アウル編集部は吉村さんにインタビューを実施。
地域が抱える情報発信の課題、レッドホースコーポレーションとの出会い、そして「商品をとっておきにしたい」という熱い想いについて伺いました。


情報発信に立ちはだかる壁

「町には宝物のような産品がたくさんあります。でも“いいものだよ”と伝えるだけでは届かない。」

錦町が直面していた最大の課題は、情報発信力の不足でした。
高齢化が進む生産者にとって、SNSやECサイトの活用はハードルが高く、自治体としても単発的な発信にとどまりがち。結果として「特産品紹介」に留まり、生産者の思いや商品の背景を十分に伝えることができませんでした。

担い手不足や人口減少といった地方特有の課題も影響しています。錦町は全国トップクラスの合計特殊出生率を誇る一方、農業の担い手減少や耕作放棄地の増加に直面しており、小規模農家が多いためICTやスマート農業への投資リスクも大きな壁となっていました。


レッドホースとの出会い

こうした課題を解決するため、吉村さんが相談したのがレッドホースコーポレーションの商品開発部でした。

「自治体の枠にとらわれず、町外の企業や人材と積極的に関わることが必要だと考えました。地域資源を新たな形で活かし、持続可能な事業にするために、ふるさと納税で既に信頼関係のあったレッドホースさんに相談しました。」

決め手となったのは、これまでのふるさと納税事業で培ったマーケティングデータと経験。市場の急拡大や制度改正を乗り越えてきた同社だからこそ、「売れる商品づくり」が実現できると確信したのです。


プロジェクトの進め方

商品開発は「作った商品をどう売るか」ではなく「売れる商品をどう作るか」という発想で進められました。
データや市場分析に基づき、消費者ニーズに沿った商品企画を行う。これまで自治体として「何を売りたいか」を優先しがちでしたが、今回はマーケティング視点でリプロダクトに挑戦しました。

また、レッドホースが運営する産直ECサイト「アウル」との出会いも大きな転機でした。
「大手ポータルサイトへの掲載だけを考えていましたが、アウルは生産者と消費者を近い距離で結ぶサイト。生産者ごとの思いやこだわりが伝わる場所だからこそ、錦町の魅力を届けるのに最適だと感じました。」

説明会に参加した生産者たちがスタッフの丁寧な指導を受け、通販に挑戦する姿勢を見せたことも印象に残ったといいます。


商品化の意義

完成した商品を前に、吉村さんはこう振り返ります。
「錦町に“新しいもの”を作り出そうとしたのではなく、“すでにある良いもの”をどうすれば届けられるかに挑戦したんです。顧客不在の商品開発ではなく、消費者ニーズから逆算して商品を磨き直す。この視点を共有できたことが大きかったです。」

錦町産のお茶やフルーツ、お米といった素材を生かしつつ、健康志向の商品や防災食など新しい方向性の商品も誕生しました。令和2年の豪雨災害で「温かい食事が人の心を支える力」を体感した経験が活かされており、「いざという時に役立つ商品」としての意義も込められています。

「どの商品にも作り手の情熱とストーリーがあります。新しい“錦町らしさ”を感じてもらえる商品が揃ったと思います。」


錦町の魅力を支える人と自然

吉村さんに「錦町の魅力とは?」と尋ねると、観光地や文化遺産だけではなく、自身の体験を重ねて語ってくれました。

太平洋戦争中に建設された日本海軍基地跡のひみつに迫る「にしき ひみつ基地ミュージアム」や、アニメの舞台となった一武八幡宮。
相良氏は、急峻な九州山地に囲まれた地の利を生かして外敵の侵入を拒み、日本史上稀な「相良700年」と称される長きにわたる統治を行いました。保守と進取の精神から昇華された文化の証が集中して現存しており、作家司馬遼太郎はこの地を「日本で最も豊かな隠れ里」と記したほど。

「子どものころは川で遊び、山で虫を捕まえ、野いちごを食べて帰るのが日常でした。豪雨災害で失われた風景もありますが、今も自然の中で子どもたちが遊ぶ姿を見ると、変わらない豊かさを感じます。」


消費者に届けたいメッセージ

最後に、吉村さんが強調したのは「熱量を伝えること」でした。

「錦町には“いいもの”がたくさんあります。でも伝えなければ知られない。だからこそ、情報発信が大事なんです。今回の商品は単なるモノではなく、作り手の思いが込められた“錦町のとっておき”。背景やストーリーを知ってもらい、その熱量を感じていただきたいです。」

吉村さんの言葉には、地域の魅力を次世代へとつなぎ、消費者に「選ばれるとっておき」として届けたい強い想いが込められていました。


まとめ

錦町が抱える課題は「いいものがあるのに、伝わっていない」こと。
その課題に、レッドホースの商品開発部と産直アウルが伴走することで、データとストーリーを掛け合わせた新しい商品が誕生しました。

豊かな自然と食文化、人の温かさに支えられた錦町の宝物は、いま「とっておき」として全国へ羽ばたこうとしています。

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