
みかんと言えば冬のイメージが強いかもしれませんが、実は今、夏でも美味しく楽しめる『温州みかん』が密かな話題となっています。
その中でも、皮が非常に薄く甘みが強いみかんを提供しているのが、柑橘の栽培にこだわった「こだわり農家のお蜜柑屋」です。
今回は、「お蜜柑屋」がなぜ夏の温州みかん作りにこだわるのか、そしてその美味しさの秘密について生産者さんに聞いてみました。
こだわり農家のお蜜柑屋アウル店 – 産直アウル
温州みかんは『産地』よりも『栽培方法』が重要
「〇〇産みかんが美味しい」といった産地ブランドが定着している日本ですが、実は産地以上に重要なのが『栽培方法』です。
「お蜜柑屋」では、ハウス栽培によって天候に左右されず、きめ細かく水管理や温度管理を行い、極上のみかんを作り出しています。
温州みかんの美味しさを左右するのは、糖度と皮(袋)の薄さ。
この二つを高いレベルで両立させるには、自然任せでは難しく、農家の工夫と技術が欠かせません。
実際には「寒さが増すと甘味が増す」という特性はありますが、単純に「低温なら甘い、高温なら糖度が下がる」というわけではありません。
寒さに耐えられる品種に変わり、その品種ごとの完熟度が寒さで高まることで甘味が増します。
また、温州みかんは30度前後が適切な生育環境であり、それ以上になると木の生育は停滞しますが、糖度が下がるわけではありません。
重要なのは「温度が高いか低いか」ではなく、適切な水と温度の管理で糖度を引き上げ、皮をできるだけ薄く仕上げることです。

お蜜柑屋が実現した『薄皮』と『高糖度』の両立とは?
お蜜柑屋では、この難題を独自の栽培技術と管理方法で克服しています。徹底したハウス内環境のコントロールと、長年培われたノウハウを駆使し、『薄皮で高糖度』という理想の温州みかんを実現しました。
特に注目すべきは「品種選び」と「ハウス栽培の相性」です。
もともと皮が薄い早生系の温州みかんを栽培し、そこにハウス栽培ならではの環境制御を加えることで、露地栽培に比べて袋がやや薄く仕上がります。
冬から春の低温に当たらないため、皮が厚くなるストレスが抑えられるのです。
もちろん、それだけでは十分ではありません。水分量を調整し味が薄くならないように工夫し、果実の状態を見ながら温度を最適にコントロールすることで、自然環境だけでは生み出せない「薄皮」と「甘み」の両立を実現しています。

『薄皮』みかんの魅力とは?
お蜜柑屋のみかんは、皮の薄さが最大の特徴です。
皮が薄いことで、果肉との一体感が増し、口当たりが非常に良くなります。
また、通常よりも皮の存在感が控えめであるため、果汁感が強く「口に皮が残ってしまう」といったことが少ないみかんです。
さらに、適切な温度管理と栄養バランスを整えた肥料管理によって、一般的な夏の柑橘類では味わえない甘さを実現しています。酸味が抑えられ、フルーティーで食べやすいのも魅力です。

栽培技術を支える農家のこだわり
温州みかんの栽培は、コストと手間が非常にかかります。特に昨今の燃料価格の高騰もあり、利益を圧迫する大きな課題も抱えています。
それでも「お蜜柑屋」が妥協しないのは、品質です。
「消費者が求めているのは本当に美味しいみかん。そのためなら手間暇は惜しまない」
——生産者はそう語ります。
適切な水と温度の調整を重ね、自然環境だけでは生み出せない味わいを追求する。
そのこだわりの栽培技術があって初めて、夏でも薄皮で甘みのある『温州みかん』を楽しむことができるのです。

まとめ
夏に楽しめる『温州みかん』は、単なる季節外れの果物ではありません。産地ではなく栽培方法こそが美味しさの秘訣であり、『薄皮』と『高糖度』を実現した農家のこだわりと技術が凝縮された果物です。
ハウス栽培でしか味わえない特別な温州みかんを、ぜひ一度味わってみてください。その違いに驚かれることでしょう。